今日は前回の日記にもちょろっと書きましたが、フィラリア症について、書こうと思います。
前回もさらっと「検査をしましょう」と書いたのですが、
まだまだ検査が必要、という認識がないのが現状です。
おととしくらいにやっていた、某獣医ドラマでも取り上げられていましたが、ご覧になっていましたか?
ご近所さんから「あまってるからあげるわ〜」って貰ってフィラリア駆除薬を飲ませたワンちゃんが、
急に体調を崩して、緊急オペになる・・・といった内容でした。
毎月飲ませるフィラリア駆除薬は、飲ませる前1ヶ月間に体内に入ったフィラリアの幼虫をまとめて駆除します。
飲ませていなかったり、飲ませ忘れてしまって、フィラリアが心臓や肺動脈に寄生してしまうと、駆除薬を飲ませる事はできません!

↑心臓内に寄生した成虫
もし、フィラリアが心臓などに寄生してるのに駆除薬を飲ませてしまうと、心臓や肺にいた成虫のフィラリアが一気に死んで、その死骸がドッと血管に流れてゆきます。
すると、血管が詰まっていまい、某ドラマであったように、様態が急変するのです。
ドラマでは、緊急オペで助かっていましたが、実際には亡くなってしまうケースもあるんです。
ちなみに、フィラリアにかかったからといってすぐに何か症状がでるか?といわれると、そうでもないのです。
かかってすぐは無症状の事が多く、数年たってからいろいろな症状が徐々に出てきます。
*咳が出る
*何となく元気がない
*急に年老いたようだ
*食欲がない
*お腹が妊娠したように大きくなってきた
*フラフラする
*たおれる
*散歩を嫌がるようになった
*吐く
*赤いおしっこをする など・・・。
つまり、症状が出てからでは遅い、ということになりますね。
「元気だから大丈夫」なんてことはないのです。
実際、検査もちゃんと陰性が出て、駆除薬も飲ませていたのに、たった1カ月飲ませなかっただけで感染してしまったケースもあるんです。
このあたり(稲城市、府中市)では、緑も多く多摩川も近くにあるので、蚊が発生しやす地域といえます。
予防の時期は地域によって違いはありますが、この地域は4月〜12月までをオススメしています。
当院では、4月に飲ませ始める前に、必ずフィラリア抗原検査を受けて頂くようお願いしています。
もちろん、毎年です!
また、検査をしていないワンちゃんにはお薬を処方できない事がありますので、ご了承ください。
しっかり予防されている飼い主さんが多いお陰で、年々フィラリア症患者は減ってきています。
予防していればよかった……。
と、後悔しないよう、
しっかり小さな家族の命を守ってあげて下さいね☆